急にけいれんを見るとびっくりして慌ててしまいますよね。
とくに1~3歳までは、体温上昇してもすぐに下がらない時期なので、親がしっかり見守ってあげる必要があるからです。
3歳までのこどもは、体温が上昇しても、すぐに気付かずに何度もけいれんをくり返すと、てんかんになってしまうことがあるので、いつもは泣いているのに静かなときは注意しなければなりません。
こどもは発熱だけでなく、室内の温度やお風呂上がり後にも、体温調節ができなく高熱を出すこともあります。
今回は、こどもが体温上昇しやすい原因と理由や対処法を紹介します。
おとなは知らない!こどもは体温調節ができない?
こどもは大人より、体の水分量が多く、熱が出ても体温はすぐには下がりません。
新生児から幼児期は、身体的に未成熟なため、平熱までに時間がかかってしまうからです。
体を動かしたり、お風呂に入った後に汗をかいても体温調節機能の役割をはたす汗腺は4~5歳までに安定してきます。しかし、熱を出しやすい子もいるので小学校に入ってからも注意しなくてはいけません。
小さい頃に平熱が大人より高いのは、汗腺が未発達なため、大人より体温が高く汗をかくのが苦手な時期でこまめな水分補給や季節にあった服装にしなければなりません。
こどもの体温調節が苦手なワケ
ひとの体は半分以上水分でできていて、成人男性の水分量が約50%に対して新生児は約80~85%、幼児は約70%の水分が体にあります。
とくに1~3歳までは、体温調節機能が未成熟なため、熱を出してから大人より体が冷めるまでに時間がかかります。
発熱を確認してからおでこやワキを冷やしても、すぐには体温が下がりません。
体の水分量は?こどもと大人の違い!
新生児から3歳までの平熱の目安は?
新生児から幼児、小学生までの平熱は、平均37度です。
37.5度以上の熱が続いた場合は、病院に行ってください。
こどもは汗をかいても、体を冷やすのが苦手で高熱が続くと意識を失い小刻みにけいれんを起こしてしまうことがあります。
何度も同じ症状が出る場合は、脳に悪影響を与えるので注意が必要です。
熱性けいれんは意識を失い体をぴくぴくと震わせて白目を剥いてしまいます。
はじめてけいれんを起こしたのを見てびっくりして救急車を呼んでしまうものです。
しかし、けいれんは長くて3分で発作がおさまり意識も戻ってきます。
意識が戻らずにけいれんを起こしたときや、1日に何度もくり返すときは早めに病院に行ってください。
こどもの脳はゴムボールのように弱いですが、早期治療によって脳障害のリスクを減らせます。
こどもは喉が渇いてから水分補給では遅すぎる?
こどもは大人よりも体が小さい割に水分量が多いです。
熱が出てから体を冷やすまで、大人より時間がかかるため体に熱がこもりやすくなります。
とくに、体温調節が苦手なこどもは、寒暖差がある場所ではこまめな水分補給をしなければなりません。
寒い季節はホットミルクで体温調節してください
喉が渇いてから水分補給をしてからでは、すぐに体温が下がらずに気づかないうちに脱水状態になってしまうことがあります。
体温上昇で疑う病気は?脳に影響が出てからでは遅い!
朝は平熱でもお昼にかけて体温が高くなって心配したことはありませんか?
こどもの時期は、朝に平熱でも昼にかけて体温が上昇する特徴があるからです。
とくに1~3歳までは、部屋の中が蒸し暑い日やお風呂上がり後に、体温上昇の原因です。
また、風邪で熱を出した時は免疫力の低下で、体温を下げる機能が未熟なため、高熱が続くこともあります。
汗をかくのが苦手なこどもは、大人が涼しく感じていても、暑く感じるので水分補給をこまめに取ることは体温調節する一番簡単な方法です。
もし、高熱が続くときは、すぐに病院に行ってください。高熱は脳の影響が出やすく、もろい臓器です。
つぎは、体温上昇での疑う病気について紹介します。
熱性けいれん
熱性けいれんは、6カ月~5歳ころの子どもが急な発熱によって意識障害、けいれんを引き起こす病気です。
通常は38℃以上の発熱時で、急に体温が上がったときに起こり、くり返しけいれんを起こします。
6歳前後で、ほとんど体温上昇でのけいれんを起こさなくなりますが、熱がなくけいれんを起こした場合は、てんかんを疑うことがあるからです。
髄膜炎
髄膜炎の症状は、頭痛、発熱、意識障害、おう吐やクビの硬直があります。
けいれんを伴うこともあるので、熱性けいれんの症状と似ているので区別が付きにくいです。
また、風邪の症状にも似ていることから、気付きにくいことがあります。
髄膜炎は、鼻やのどに付いていたバイキンが、粘膜を通して血液の中に入ります。
こどもは免疫力が低下しやすいので、大人のように菌を排除できない場合があるからです。
血液の中に残った菌が細い血管を通り、中枢神経から髄膜に行き、髄膜炎を起こしてしまうからです。
髄膜炎といっても、細菌性髄膜炎や結核性、真菌性、ウイルス性髄膜炎があり、病院での適切な処置をする必要があります。
脳の炎症部分によっては、言葉がうまく出せなかったり、簡単なパズルを解くのがむずかしくなったり生活に支障が出てくるので、注意しなくてはいけません。
脳炎
発熱、頭痛、おう吐、クビの硬直、意識障害(意識の低下、幻覚・妄想)けいれん、記憶障害、言語障害、人格変化や異常行動などの症状が出ます。
一度にすべての症状が出るわけではありません。
注意したい症状を書き留めておきます。
熱性けいれんや髄膜炎、脳炎は、発熱からはじまり頭痛やおう吐、クビの硬直と共通している症状があるので、親がこどもの様子の変化に気付くことが大切です。
けいれん発作が起きた場合は、慌てずに安全な場所に移して、スマホの動画機能を使って記録を残しておきます。
医師に説明するときに覚えていない場合に、動画を見せると医師の判断までに時間がかからないからです。
てんかんと体温上昇の関係は?
てんかんで体温上昇をしたとき、脳内の神経伝達物質のバランスが変わり、てんかん発作を誘発する可能性があります。
とくに、興奮性の神経伝達物質であるグルタミン酸の増加と、抑制性の神経伝達物質であるGABAの減少が関係しています。
体温上昇は、脳の血流量を増加させ、脳内の酸素供給量を増やします。
過剰な血流量は脳機能障害を引き起こし、てんかん発作を誘発する可能性があります。
てんかんで体温上昇した時の3つの対処法を紹介!
てんかん発作は、さまざまな原因で誘発されますが、体温上昇もその一つです。
とくに、ドラベ症候群などの熱けいれん症候群を持つこどもは、体温上昇によって発作が起こりやすくなります。
また、こどもは体温上昇しても、すぐに下がらないので服装や部屋の中の温度調整を工夫することが大切です。
こまめな水分補給を忘れずに!
喉が渇いてから水分補給をしても、脱水症状が始まっている可能性があります。
そのため、喉が渇いていなくても、こまめに水分補給をすることが大切です。
平熱でも部屋の中が暑いと体温が上がり、おでこに湿布やジュースなどを与えて体温を下げようとしても、すぐに下がらないのでのどの渇きや部屋の温度に関係なく、こまめな水分補給が必要です。
日差し対策をしよう!
とくに1~3歳のこどもには、日差し対策は欠かせません。
夏のカンカン照りで暑いときに外にいると、急な体温上昇で熱中症になるリスクを高めてしまうからです。また、てんかん持ちの体温上昇は脳神経を興奮を誘発して発作を起こします。
外出する際は、こまめな水分補給を取り、急な体温上昇を防ぐために半そで一枚でなく、体温を一定に保つ冷却材が入れられる少し厚手の服装と汗をかいたときにタオルを用意しておきましょう。
外出するときはマイボトルを!
いつでも水分補給ができるようにマイボトルを用意しておきましょう。
つねに人通りの多い場所で、コンビニやお店があるとは限りません。
急に熱が上がりキャンプで山の奥やコンビニまで遠かったりすると、すくに熱を冷ましてあげたいと思っても、水やスポーツドリンクがほしくても、お店がないと手に入らないこともあります。
水より体に近いスポーツドリンクがおすすめ
外出する際は、マイボトルを用意して、すぐに水分補給できる環境を作ることが大切です。
こどもは、体温が下がるまでに時間がかかることを、覚えておいてください。
こどもは体温上昇に弱い!気温の変化に注意しよう☆
いままで元気だったこどもでも、発熱が原因で意識を失ってけいれんを起こすことも少なくありません。
小さいときほど、体温調節の機能が未熟なので、こまめな水分補給や部屋の温度にも気を付ける必要があります。
一度のけいれんであれば、早期治療で脳に与える影響がなく、すくすくと元気に育ってくれるでしょう。
小さな頃は発熱が原因で風邪だけでなく、他の病気も疑う必要があるので、日ごろから体温上昇に気を付ける必要があります。
参考になれば嬉しいニャ
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